講義内容
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<到達目標> ・現代インドの現状を理解できる。 ・インドが抱える諸問題の歴史的背景を理解できる。 ・インドの実情を踏まえて、インド以外の地域(日本など)の状況を比較考察することができる。
<卒業認定・学位授与の方針との関連> 「知識・理解」「関心・意欲・態度」
<講義概要> テーマ:多文化社会インドの光と影
近年インドは、IT大国あるいは巨大市場として注目を集め、中国とならぶ経済大国としての地位を確立しつつある。しかし、その発展のあり方は、地域、都市部と農村部、ジェンダー、階層などで格差があり、一様ではない。また、その発展の過程で新旧の諸問題が表面化している。宗教間対立やカースト問題はその最たるものといえよう。しかしこれらを「前近代的」な「後進性」の表れと解釈して、上から「近代的」システムや考え方を導入しようとすれば、様々な摩擦や矛盾が生じる。なぜならば、一見「前近代的」なカースト制度や宗派対立は、実はイギリス植民地時代に創られた「インド文化の伝統」に端を発する、極めて「近代的」な現象だからである。 本講義では、インドの現状を概観したのち、カースト制度や宗教対立、言語問題等の原因を歴史的視点から解きほぐしていく。前期(アジア文化史a)では、宗教と女性の問題を、後期(アジア文化史b)では、カーストと政治を取り上げる。
<講義計画> 1.インド概観 2.バラモン教と「ヒンドゥー教」 3.仏教とジャイナ教 4.さまざまな宗教の普及とその影響―イスラームとシク教 5.さまざまな宗教の普及と徒の影響―キリスト教 6.「ヒンドゥー教」と女性の地位 7.ヒンドゥー教徒女性が抱える諸問題 8.イギリス植民地支配の影響―1772年規則 9.「近代」法整備と女性―サティーをめぐって 10.「近代」法整備と女性―寡婦再婚をめぐって 11.「近代」法整備と女性―幼児婚とナショナリズム 12.女性の地位をめぐる近年の状況―サティー、ダウリー、女児殺し 13.女性の地位をめぐる近年の状況―ムスリム女性と統一民法問題 14.総括と議論―復習と質問受付 15.授業内試験と講評
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教科書・参考書
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<教科書> ・教科書は特に指定しない。適宜、歴史史料を配布する。
<参考文献> ・マラ・セン『インドの女性問題とジェンダー』明石書店、2004年 ・ウマ・ナーラーヤン『文化を転位させる』法政大学出版局、2012年 ・粟屋利江・井上貴子編『インド・ジェンダー研究ハンドブック』東京外国語大学出版会、2018年
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成績評価方法・基準
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【変更前】 <評価方法> ・平常点評価 100%。
<評価基準> ・講義内容の理解度(60 %)、文章の論理性(20%)、自分の主張の説得力(20%)。
【変更後】 <評価方法>変更有り。 ・期末試験を中止し、講義期間中に数度課す課題で評価する。なお、講義はGoogle Classroomで実施しているが、課題の指示と提出はCourse Powerで行っているので注意すること。
<評価基準>変更なし。 ・講義内容の理解度(60 %)、文章の論理性(20%)、自分の主張の説得力(20%)
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履修上の留意点
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<履修すべき他の科目> ・火曜日1限(後期)「アジア文化史b」を履修することを強く要請する。 ・火曜日2限「南アジア関係論1,2」を併せて履修すると理解が深まる。
<準備学習> ・各回の授業内容に関連する参考文献を読み、教員の問題提起に備える。
<事後学習> ・ノートしたことや議論内容を整理する。 ・関連文献を読むなどして、インドが抱える問題について自分の考えをまとめる。
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担当教員へのアクセス
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その他
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<課題へのフィードバック> 意見に対する説明・講評、質問への回答を行う。
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更新日付
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2020/06/11 15:57
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