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開講年度 2019 
科目名 専門ゼミナールA 
職名/担当教員 人間科学部 教授 大矢根 淳 
期間/曜日/時限 通年 月曜日 4時限
開講区分/校舎 一部生田/生田 
配 当 社会学科3 
単 位
コースコード SEM317 
授業形態  



講義内容
<到達目標>
 各自の問題関心をリサーチクエスチョンから命題・仮説に昇華させて表現し、先行業績の批判的検討・書評作成を経て、研究計画書を作成できるようになることを、この授業の目的とします。

<講義概要>
テーマ:劇的な生活変容を経験した人々・地域の生活再建・コミュニティ再興を扱う災害社会学(環境変動論)

 「劇的な生活変容を経験した人々・地域の生活再建・コミュニティ再興」についての地道なフィールドワーク(踏査や聞き書き)の先行業績に学び,自らも取り組んでみます。
 「災害社会学」のゼミで「劇的な生活変容」を扱うからといって,そこでは必ずしも自然災害の被災者だけが扱われるわけではありません。人々は古今内外,様々な「劇的な生活変容」を経験してきました。それは例えば,昨今世界に吹き荒れるテロや戦争の惨禍はもちろん,大型交通災害(飛行機事故や日常の列車・交通事故等),原子力発電所の事故,また少し視角を変えれば(日本では馴染みが薄いですが)革命や内乱による生活被害もあげられるでしょう。また,ドメスティックバイオレンスやイジメ,さらにはペットロスさえも,その規模こそ小さいものの,当事者にとっては一生に一度被るかどうかの深刻な問題です。
 ゼミ生は一つの事例を選び出し精査して,フィールドワーク、モノグラフを含む先行業績に学びながら,各自の事例を考察していきます。

<授業の形態>
 例年ゼミは3・4年生合同で二時限続けて行っています。
 レジュメを用意しての専門文献等の輪読や報告・議論がメインとなります。その他,ゼミは以下のようなシステムで運営しています。
 例年ですとまず,ゼミ内3年生+4年生,2~3人(同関心テーマ・方法論等)で「ユニット」を形成し,3年生は4年生の卒業論文作成のプロセスを身近に見ながら(場合によっては資料作成などのお手伝いをしながら),論文作成のプロセスをOJT(On the Job Training)で学んでいきます。
 またこれまでは、ゼミ生でエクスカーション(巡検or学術的参加型小旅行)を企画し,それに向けてのサブゼミが自主的に展開されてきました。この10年ほどは数年単位で以下のようなテーマ・フィールドが扱われてきました。9.21台湾集集地震被災地,1.17阪神・淡路大震災被災地復興,沖縄座間味島(1945.3.26集団死・戦災),鹿児島桜島噴火災害集団移転問題、東日本大震災被災地踏査など。卒業論文テーマがこれらのエクスカーションに吸引されていく学生も毎年多く出て来ています。

<講義計画>
以下の内容を全30回の授業で取り扱う。
 文献の輪読(レジュメの作成,報告,議論,報告成果のとりまとめ,小論執筆)を進めながら,各自の問題関心に即した事例を渉猟・選出し,文献調査,フィールドワークを行い,その企画・実査・成果を報告・議論しながら卒業論文執筆に向けて一段ずつ、その階梯を昇って行きます。ゼミ生企画のエクスカーション,(あるいは)夏合宿では,フィールドに接しながら十分時間をかけてみなで議論を深める練習を重ねます。 
教科書・参考書
<参考書>
さしあたって,以下の文献の輪読から始めます。
  大矢根淳他編『災害社会学入門』/『復興コミュニティ論入門』弘文堂,2007年
木村周平他編『災害フールドワーク論』古今書院,2014年
  清水展他編 『災害対応の地域研究5 新しい人間、新しい社会~復興の物語を再創造する』
         京都大学学術出版会,2015年   
成績評価方法・基準
平常点(100%)
ゼミでの報告義務を完遂することはもちろんですが,他の報告者の報告に真摯な態度で臨みコメントを付すことが要求されます。その上で,年間数回の小レポートの執筆・提出が求められます。授業への参加度10点、年間報告(レジュメ)・小レポート4回(20点×4回)、授業内討論・コメント(10点)。 
履修上の留意点
準備学習においては、必ず課題文献を読み込み、授業での議論に備える。事後学習においては、授業でノートしたことを整理し、関連文献を読むなどして理解の深化に努める。
毎授業時、輪読レジュメ・質疑応答記録(議事録)に対して、教員より詳細なコメントを付すので、それらを踏まえて報告レジュメの改訂版を作成して蓄積していただきます。 
担当教員へのアクセス
月・火・水曜日の朝9時~夕方6時。この曜日・時間帯は生田キャンパスにおりますが、会議等のため研究室を不在のことがあります。 
その他
領域や対象が深刻なものを扱うだけに,ゼミには真摯な態度で臨んでいただきます(欠席・報告のドタキャン・準備不足などの言い訳は一切聞き入れられません)。 
更新日付 2019/02/13 16:02


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