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講義内容
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＜到達目標＞
１．刑法総論Ｉの範囲における基本的概念や原則を説明することができる。
２．刑法総論Ｉの範囲におけるの解釈論上の重要問題について、具体的事例の分析、検討および一定の法的解決案を提示できる基本的な能力を獲得することができる。
＜講義概要＞
刑法総論は、主として刑法典の総則規定の解釈を中心として、犯罪の成立要件とそれに対する刑罰適用に関する一般原則を研究することを目的とするものである。刑法総論は、学説が鋭く対立し、議論が抽象的で難解であるとされるので、体系ついての考え方の相違を念頭におきつつできる限り判りやすく概説するよう心がけたい。
＜講義計画＞
犯罪論を中心として、基本的に教科書の章の順にしたがって進める。
刑法総論Ｉにおいては、犯罪論における責任論の冒頭までを講義する予定である。
（１）ガイダンス
概要：当科目を学ぶ目的、講義概要、到達目標、授業の進め方の紹介をする。
予習：シラバスを読み、到達目標、講義概要・計画、評価方法・基準を確認する。
復習：自分に相応しい科目か検討し、受講する場合には、学修計画を立てる。
（２）刑事法入門の復習
概要：「刑事法入門」で学習した刑法総論に関する部分を確認する。
予習：「刑事法入門」で使用した教科書・参考書・ノート等の刑法総論に関する部分を熟読する。
復習：「刑事法入門」で十分に習得しきれなかった部分を確認し、ノートにまとめる等して次回以降の講義に備える。
（３）刑法の効力、犯罪の類別
概要：わが国の刑法は、いつ、どこで、誰に対して、どのように適用できるのか、また犯罪の分類の仕方について学ぶ。
予習：刑法の適用範囲、犯罪の類別について、参考書を基に調べ、予習用課題の問題を解く。
復習：学習した内容を具体例とともにノートにまとめる。
小テストを受験し、到達目標に到達できたか確認する。
（４）犯罪の概念、行為論、構成要件の概念と要素
概要：刑法学の検討対象たる犯罪をいかに定義するか、また犯罪成立の前提となる行為をいかに定義するかを検討する。また、構成要件の意義、機能、種類、要素についても学ぶ。
予習：刑法学の検討対象たる犯罪概念をどのように考えるか、犯罪成立の前提となる行為をどのように考えるか、教科書・参考書を基に考えておく。構成要件の種類、要素について、教科書・参考書を基に調べておく。
復習：刑法における犯罪の考え方、行為の意義と機能をノートにまとめる。学習した内容を具体例とともにノートにまとめる。
（５）不作為犯
概要：不真正不作為犯の成立要件について学ぶ。
予習：不真正不作為犯の問題点について、教科書・参考書を基に調べておく。
復習：学習した内容を具体例とともにノートにまとめ、授業中に紹介された重要な判例を調べて読む。
（６）因果関係
概要：実行行為と結果との間の関係について学ぶ。
予習：因果関係の判断方法について、教科書・参考書を基に調べておく。
復習：学習した内容を具体例とともにノートにまとめ、授業中に紹介された重要な判例を調べて読む。
小テストを受験し、到達目標に到達できたか確認する。
（７）違法性の理論、中間テスト
概要：違法性の概念と実質、要素について学ぶ。
今までに学習した範囲について到達目標に到達できたか確認するための中間テストを実施する。
予習：各回の到達目標に到達できていないところを中心に学習し直しておく。
違法性の実質をどのように考えるか、教科書・参考書を基にまとめておく。
復習：テストで十分解答できなかったところをノートにまとめ、解説を基に復習する。
学習した内容を具体例とともにノートにまとめておく。
（８）可罰的違法性、法令行為、正当業務行為、一般正当行為
概要：違法性の判断構造について学ぶ。
正当行為として違法性が阻却される行為について学ぶ。
予習：可罰的違法性とはどのようなものか、教科書・参考書を基に調べておく。
正当行為にはどのようなものがあるか、教科書・参考書を基に調べておく。
復習：学習した内容を具体例とともにノートにまとめ、授業中に紹介された重要な法令・判例を調べて読む。
（９）被害者の承諾
概要：被害者の承諾とその法的効果、違法性阻却事由とされる根拠について学ぶ。
予習：被害者の承諾とその法的効果について、教科書・参考書を基に調べておく。
復習：学習した内容を具体例とともにノートにまとめ、授業中に紹介された重要な判例を調べて読む。
（10）正当防衛
概要：正当防衛の意義と成立要件について学ぶ。
予習：正当防衛の要件を確認し、問題点について、教科書・参考書を基に調べておく。
復習：学習した内容を具体例とともにノートにまとめ、授業中に紹介された重要な判例を調べて読む。
（11）正当防衛の諸問題
概要：正当防衛の限界となる場面、過剰防衛について学ぶ。
予習：予習用課題や教科書の設例を基に正当防衛の限界事例を検討しておく。
復習：学習した内容を具体例とともにノートにまとめ、授業中に紹介された重要な判例を調べて読む。
（12）緊急避難、自救行為、義務の衝突
概要：緊急避難、自救行為、義務の衝突の意義と成立要件について学ぶ。
予習：緊急避難の要件を確認し、予習用課題や教科書の設例を基に緊急避難の限界事例を検討しておく。
復習：学習した内容を具体例とともにノートにまとめ、授業中に紹介された重要な判例を調べて読む。
小テストを受験し、到達目標に到達できたか確認する。
（13）責任論総説
概要：責任の本質、責任の基礎・対象、責任能力の意義について学ぶ。
予習：責任論について、教科書・参考書を基に調べておく。
復習：学習した内容をノートにまとめる。
（14）原因において自由な行為
概要：自ら精神の障害を招き、責任無能力ないし限定責任能力の状態で犯罪を惹起した場合の問題について学ぶ。
予習：原因において自由な行為について、教科書・参考書を基に調べておく。
復習：学習した内容を具体例とともにノートにまとめ、授業中に紹介された重要な判例を調べて読む。
（15）授業内テストと解説
概要：前期に学習した範囲について到達目標に到達できたか確認するためのテストを実施する。
予習：各回の到達目標に到達できていないところを中心に学習し直しておく。
復習：テストで十分解答できなかったところをノートにまとめ、解説を基に復習し、総論IIに備える。
＜授業で実施するアクティブ・ラーニング＞
・反転授業
・ディスカッション
・グループワーク
＜課題に対するフィードバックの方法＞
・レポートは、代表的なものを取り上げて講評する。
・テスト（中間テスト・小テスト含む）は実施後に正解および解説を示す。
・授業後のコメントは、代表的な意見を取り上げて講評する。
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教科書・参考書
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＜教科書＞
日高義博『刑法総論〔第２版〕』成文堂
＜参考書＞
井田良・佐藤拓磨『よくわかる刑法 〔第３版〕』ミネルヴァ書房
井田良『入門刑法学総論〔第２版〕』有斐閣
船山泰範ほか編著『刑法演習50選』北樹出版
井田良ほか『刑法演習サブノート210問』弘文堂
高橋則夫編『授業中 刑法演習―われら考える、故にわれらあり』信山社
成瀬幸典ほか編『判例プラクティス刑法I 総論〔第２版〕』信山社
松宮孝明ほか編『新・コンメンタール刑法〔第２版〕』日本評論社
その他、必要なものについては、講義中にその都度指示する。
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成績評価方法・基準
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(1) 成績評価方法
・定期試験規定に基づく試験に替えて授業内テストを実施する。ただし、状況によっては、定期試験規定に基づく試験ないし定期試験規定準用試験に変更する場合がある。変更する場合には、授業の際に知らせる。
・授業期間内に必須の小テストをe-learningシステム上で実施する（３回）。
・授業期間内に必須の中間テストを実施する（１回）。
・授業期間内にレポート提出を課す（１回）。
・授業内での発言、質疑応答（e-learningシステム上を含む）や授業に取り組む姿勢や態度を授業への貢献度として評価する。
・授業後のコメント（e-learningシステム上を含む）を評価する。
(2) 成績評価基準・評価の配分等
・授業内テスト及び中間テストは、到達目標（１）（２）に対応して、刑法総論Ｉの範囲に関する知識・理解・思考・判断を測る問題を出題する。到達目標（２）を測る問題では、答案の構成および論理性を重視する。なお、到達目標（１）を測る問題が一定の点数に達しなかった場合には、到達目標に達していないものとして到達目標（２）を測る問題の採点は行わない。また、定期試験規定に定められた不正行為が認められた場合には、当該テストは無効とし、採点は行わない。
・小テストは、到達目標（１）に対応して、刑法総論Ｉの範囲に関する知識・理解を測る問題を出題する。
・レポートは、到達目標（２）に対応して、与えられたテーマについて自らの意見を述べる課題を出す。なお、定期試験規定に定められたものと同様の不正行為が認められた場合には、当該レポートは無効とし、採点は行わない。
・授業への貢献度は、到達目標（１）（２）に対応して、授業内での発言、質疑応答（e-learningシステム上を含む）や授業に取り組む姿勢や態度等を総合的に判断して評価する。
・授業へのコメントは、到達目標（１）（２）に対応して、形式、内容等を総合的に判断して評価する。
・成績評価はおおよそ次の割合に基づき総合的に判定する。授業内テスト30％、中間テスト20％、小テスト20％、レポート15％、授業への貢献度10％、授業のコメント５％。
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履修上の留意点
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(1)準備学習について
1. 各回の授業内容に該当する範囲について、教科書・参考書等を熟読し、授業に備える。
2. 事前にテーマごとに提示した到達目標を確認し、授業内容についての解説を聞いたうえで予習用課題を解く。
3. 事前にテーマごとに提示した項目について、電子掲示板に書き込みをする。
4. e-learningシステム上に掲示してある予習用の小テストを授業前に解く。
5. 時間は1回あたり、おおむね60分以上が望ましい。
(2)事後学習について
1. 予習用の課題を踏まえて、到達目標に到達できたか確認し、到達できていない部分について教科書・参考書等を利用してよく復習をする。
2. 授業で学習したことを整理し、関連文献を読むなどして理解の深化に努める。
3. 学修した項目について、電子掲示板に書き込みをする。
4. e-learningシステム上に掲示してある復習用の小テストを次回の授業前に解く。
5. 時間は1回あたり、おおむね60分以上が望ましい。
(3)その他
・科目の性質上「法学の基礎」「刑事法入門」を受講済みであることが前提となる。
・科目の内容上「刑法総論II」「刑法各論」の履修を強く推奨する。なお、「刑法総論II」は同一担当者による履修をすることが望ましい。
・「刑事訴訟法」、「刑事政策」、「犯罪学」等の関連科目も該当年次において履修するのが望ましい。
・授業で使用するために、パソコンは、大学推奨スペック以上のものを用意すること。
・法律学科の履修者は、 「法学の基礎」「刑事法入門」の知識を前提とした説明を行う部分が多くなるので、復習を十分しておくこと。
・法律学科以外の履修者は、法学に関する基礎知識および「刑事法入門」の知識があることを前提とした講義となるので、開講までに、基礎的な概念や知識の習得に努めること。
・不明な事柄については、辞書・事典類で調べる習慣をつけること。
・本科目は、反転授業形式で実施するが、オンデマンド形式で実施するものではないので、承知の上で履修すること。
・本科目はオンラインで実施するが、対面で実施する場合もありうる。ただし、対面で実施する場合、ハイフレックス型での実施はしないので注意すること。
・授業に参加する、法令や判例を調べる、あるいは電子版の教科書を読むために、パソコン、携帯電話、スマートフォン、タブレット等の電子機器類を授業中に使用してもよいが、授業に関係ない使用は厳禁とする。授業に関係ない使用が認められたときは、以後授業における電子機器類の使用を一切禁ずる。
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担当教員へのアクセス
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その他
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【主要授業科目】
状況により、シラバスの内容が変更されることがある。その際は、授業中に変更を随時知らせる。
受講に際しての注意事項等の詳細は、１回目のガイダンスの際に告知するので、履修する場合は必ず出席するように。ガイダンスで説明した内容で不明な点があるとき、あるいは、やむを得ない事情によりガイダンスに出席できなかったときは、シラバスの記載事項について担当教員に問い合わせる等して確認すること。確認しなかったことによる不利益が生じても担当者は関知しない。
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更新日付
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2025/03/25 14:39
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